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フユの備忘録

読んだ本の感想などを書いています

ジュンパ・ラヒリ 「べつの言葉で」 (中)

ジュンパ・ラヒリ 「べつの言葉で」 Jhumpa Lahiri, In altre parole 言葉にされず、形を変えず、ある意味では、書くというるつぼで浄化されることなく通り過ぎるものごとは、わたしにとって何の意味も持たない。長続きする言葉だけがわたしには現実のものの…

ジュンパ・ラヒリ 「べつの言葉で」 (前)

ジュンパ・ラヒリ 「べつの言葉で」 Jhumpa Lahiri, In altre parole 新潮社、クレストブックス、2015年刊。中嶋浩郎訳。 2014年の中ごろから今年のはじめまで、身辺で実にさまざまなことが起き、本を開くことができなかった。なかなか診断のつかない病に消…

オリヴィエ・アサイヤス 「アクトレス」

オリヴィエ・アサイヤス 「アクトレス」 Olivier Assayas, Sils Maria, 2014 アサイヤスの映画を地元のシネコンで見られる日がくるとは思ってもいなかった。こんな機会はもうないかもしれないので、時間をやりくりして駆けつけた。(のは、もう去年の話にな…

アリス・マンロー 「ディア・ライフ」 (後)

アリス・マンロー、「ディア・ライフ」 Alice Munro, Dear Life 「フィナーレ」4篇で描かれるのは、数十年の時を経てもなお、消化されぬまま心に残るいくつもの出来事、またそれらの出来事にまつわる当時の感情で、その感情の多くは怖れ/畏れ、憤りなど、…

アリス・マンロー 「ディア・ライフ」(前)

アリス・マンロー、「ディア・ライフ」 Alice Munro, Dear Life 新潮社、クレストブックス、2013年刊。 小竹由美子訳 前回の更新から3か月あいてしまった。 マンロー最後の短篇集として出版された「ディア・ライフ」。そのタイトル、 Dear life という響き…

モーリス・ピアラ 「ヴァン・ゴッホ」

ピアラ 「ヴァン・ゴッホ」 Maurice Pialat, Van Gogh 1991年/ 160分 シアター・イメージフォーラムで開催されていた没後10年特集上映の中の一本。 ゴッホがオーヴェルの駅に降り立つシーンで始まるこの作品は、37年で終わる彼の人生の最後の2ヶ月間、オー…

「フランク・オコナー短篇集」

「フランク・オコナー短編集」 Frank O'Connor 岩波文庫 阿部公彦訳 名前が似ているので、どうもフラナリー・オコナーと混同してしまうことの多かったアイルランドの作家、フランク・オコナーの短篇集。カタカナで書くと「オコナー」はもちろんのこと、「フ…

アリス・マンロー 「小説のように」

アリス・マンロー、「小説のように」 Alice Munro, Too Much Happiness. 新潮社、クレストブックス、2010年刊。小竹由美子訳。 マンローの短編集「小説のように」を、ここ何週間かをかけて読んでいて、何を書こうかとあれこれ考えていたところにノーベル文学…

マルグリット・ユルスナール 「追悼のしおり」 (1)

ユルスナール、「追悼のしおり」。 2011年、白水社「世界の迷路」シリーズの第1巻として刊行。 Marguerite Yourcenar, Souvenirs pieux. <母・父・私をめぐる自伝的三部作、第一巻>(帯より) 「とどめの一撃」「ハドリアヌス帝の回想」「黒の過程」の著…

ぺティナ・ガッパ 「イースタリーのエレジー」

読んだ本の感想などを記録する備忘録です。 第1冊目は、ガッパ、「イースタリーのエレジー」(An Elegy for Easterly)。 新潮社のクレストブックス。2013年6月刊。 1971年ザンビア生まれ、ジンバブエ(旧ローデシア)で思春期を過ごしたペティナ・ガッパ P…